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中国茶の飲み方

中国茶を初めてお飲みになる方、もっと本式に中国茶芸をお知りになりたいと思っている方、参考にして頂ければ幸いです。

中国茶芸について

中国茶芸は、要はお茶を美味しくいただく為の作法で、日本の茶道のように事細かな決まりがある訳ではありません。

日本の煎茶道に近いものはありますが、お茶の淹れ方・お道具・飲み方自体にもこれでなければいけないという規則・決まり事はないのです。
あえて申し上げれば、時間と心にゆとりを持って、お茶やお道具の事を話題にし、濃縮された味わいの美味しいお茶を、楽しく心豊かな気分で嗜むのが中国茶芸です。

日本茶と違って中国茶はありとあらゆる種類がありますので、茶葉によって適した温度・抽出時間・茶器があります。

出来る事なら一番美味しい状態で皆様にお茶を楽しんで頂きたいと思いますので、お茶の淹れ方と飲み方・必要と思われるお道具について説明したいと思います。

■必要なお道具

最低限必要と思われるお道具を取り上げます。

・ 茶壺(ちゃふう)
(勿論、宜興紫砂壺です。蓋碗をお使い頂いても構いませんが、青茶(烏龍茶系)は紫砂壺をお使いになる事をお勧め致します。)

・ 茶杯(ちゃはい)
(湯飲みでも良いのですが、中国茶は濃縮されたお茶をいただくので小さな茶杯で満足できますし、大きな湯飲みでがぶがぶというのでは品がありませんね。出来れば聞香杯もお使い頂いて、香りも味わうと一層本式と成ります。)

・ 茶海(ちゃかい)
(茶壷から直接茶杯へお茶を注ぎますと、最初の方は濃度が薄く、最後の方は濃度が濃くなります。茶壷から全てのお茶を一度茶海へ移し替える事で、おちゃの濃度が均一になって同じ味のお茶を飲んで頂けますので、是非お使いください。)

・ 茶盤(ちゃばん)
(茶壺や茶杯にお湯を掛けて温める、養壺の為に茶壺にお茶を掛ける、お湯やお茶を流す作業がお茶を淹れる段階で何回もあるので、茶盤をお使い頂ければお湯を直接流せる事が出来ますから、とても便利です。また茶盤をお使いになる方が本式に見えますし、おもてなしの場合はお客様とお話をしながらお茶を淹れる事が出来ますね。)


以上が最低限必要とするお道具と考えています。

それ以外に有ると便利な物は、茶漉し(金属製のもの)茶巾です。その他のお道具も上げると限がないので、それらは徐々に趣味に合わせて揃えて頂ければ良いのではないでしょうか。

中国茶の淹れ方と飲み方

ここでは初心者の方向きに、一般的な中国茶器を使った中国茶の淹れ方と飲み方を説明させていただきます。

 

 


まずは茶壺にお湯を注ぎ、茶壺を温めます。

 

茶壺のお湯を茶海へ移して、茶海を温めます。

続いて茶杯・聞香杯も温めておきます。

茶壺に茶葉を投入します。

茶葉の使用量は茶壺の底が見えなくなる量です。

お湯を少し高いところから、勢い良く一気に注ぎます。

お湯が一杯になった状態で、直ぐに表面に灰汁のような泡が浮いてきます。

そこでこのような茶通し、もしくは茶壺の蓋の縁で灰汁を切ります。

蓋をすると注ぎ口からお湯が溢れますが、茶盤を使用していますから下に流れますので気になりません。

抽出中は内部の温度を下げないで抽出し易い温度を維持する為に、茶壺の上から全体に暑いお湯を注ぎます。(お湯は茶盤の中へ流れますが、茶船という別の茶壺専用のお皿状の容器を使用する場合もあります。茶盤全体の面積が小さい場合や、お茶会等の場合は茶船を使用した方が段取りがよくなります。)

抽出した一煎目を、茶漉しをセットした茶海へ注ぎます。(茶海へ一度お茶を移すのは、濃度を均一にするためです。)

最後の一滴まで、出し切ってください。(二煎目以降を淹れる為に重要です。)

抽出したお茶の水色です。(今回は安渓鉄観音の茶葉を使用しています。)

茶海から聞香杯へ、お茶を人数分注ぎ分けます。

お茶を注いだ聞香杯の上に、茶杯を被せます。

この状態で両手を使用して、上下逆さまにひっくり返します。(慣れると簡単です。)

この状態で杯托へ置いて、お茶をお出しします。

お茶は溢れてきませんので、安心して下さい。

お茶を飲む際はこの聞香杯をそっと持ち上げ、先ずは香りを聞きます。(この時が一番優雅な時間かもしれません。)

何度もお茶の香りを嗅ぐと、肺の中まで香気で一杯のようになります。そして、最初の一口を味わいます。

茶壺の中は茶葉が開いて溢れかえって隙間がない位、それが適切な茶葉の使用量です。(この画像は一煎目なのでまだ茶葉が開ききっていませんが、茶葉が開いてくると上まで茶葉で一杯の状態になります。)

中国茶は茶葉の量を多目に使用して、抽出時間を短くするのが美味しく飲むコツだと申し上げましたが、一煎・二煎・三煎と何煎も飲みながら会話を楽しみ、お茶の味が変化していくのも楽しめます。抽出時間を短めにすれば爽やかな味わい、長めにすれば濃厚な味わい、時には苦味が勝る事もあるかもしれませんが、それも味わいの一つとしてお楽しみください。

中国茶を淹れる場合、一煎目を流す(洗茶)という淹れ方もあります。(これは消毒という意味合いもありますが、最初にお湯を注いで直ぐに流すと、一煎目の茶葉の開きが促進されて、その方が一煎目が美味しいという場合もあります。)一煎目のお茶の成分を流し捨てると判断する方もいますが、茶葉の種類で判断することと、実際試してみて良しと思う場合は洗茶をされてください。

以上が中国茶の典型的な飲み方の一つです。
中国では工夫茶と言いまして、お茶の嗜みの一つとして自分なりのスタイルを作り上げる事も楽しみの一つと言えます。
最初にも申し上げましたが、要はお茶を美味しくかつ楽しく飲む事によって、心豊かな気分に成れるのが中国茶芸の醍醐味です。
皆様も中国茶の奥深い魅力を味わいながら、自分なりの工夫茶を作り上げてください。

養壺(やんふう)について

お客様から何度か養壺についてご質問を頂きますので、ここで付け加えておきます。

まずお買い求めになりました紫砂壺ですが、お手元に届きましたら直ぐにお茶を淹れるわけには参りません。(そのままお茶を淹れますと泥臭さが気に成ります。)

最初にお手入れが必要と成ります。

最初に不要になった歯ブラシ等で、茶壺の内側外側共良く水洗いをして下さい。(洗剤は使ってはいけません。)

釉薬を掛けてある茶壺は別ですが、無釉の焼き締め(宜興紫砂はその部類です。)茶壺は使い始める前にその茶壺で淹れる予定の茶葉と共に鍋で煮沸を致します。

ぐらぐらと長時間煮込む必要はありませんので、沸騰してから適度な時間と憶えておいてください。(水の状態から茶壺と茶葉を入れ、沸騰したらとろ火で煮沸)

終わって水分を拭き取り、茶巾等で茶壺を磨きますと良い茶壺は直ぐに輝き始めます。

ここでお買い物された紫砂壺が本物かどうか、判断して頂けると思います。

蓋を取って左手で蓋のつまみを軽く持ち、右手の人差し指で蓋の縁をはじいて音を聞いて下さい。

「キン」という金属音に近い高音が聞こえれば、それは上質な紫砂壺です。

さてこれで、茶を淹れる準備が整いました。

その後の養壺ですが、こだわる方は一つの茶壺で一種類のお茶にしか使用いたしません。(茶壺にお茶の香りが染み込んでいくので、色々なお茶を同じ茶壺では淹れない訳です。)

どんなお茶も一つの茶壺で淹れる事は私もお勧めできませんが、そこまでこだわらなくとも烏龍茶系は一つの茶壺で済ましても?とも思います。

養壺のコツは兎に角「毎日お茶を淹れて使用する事」これが基本ですが、お茶を淹れる度に紫砂壺の外側の表面にお茶を塗る(養壺筆という商品も売っている位ですが、道具は何でもいいので何度も何度もお茶を表面に染み込ませてください。)そして茶壺を磨き上げるという方法もあります。

毎日のようにお茶を淹れていると、直ぐに茶壺は輝き始めます。

自然と艶を帯びて使えば使うほど輝きが増してきます。

茶壺を洗う際は、洗剤は絶対に使わない事!これは必須です。

水、又はお湯でよく洗い(洗わないという人も中国にはいます)カビが生えたりしないように蓋と本体を別にして、逆さまにして水がよく切れるように乾燥させてください。

乾燥した茶壺をお手入れする?(茶巾等で磨く場合)場合ですが、最初にお茶を染み込ませた布で茶壺を湿らせて、乾いた布で磨き上げる、これを繰り返しますと茶壺が益々輝きます。

乾燥した状態で茶壺自体が良いお茶の香りがする、そういう状態に成ったらお茶も本当に美味しく飲めます。

お使いの茶壺がそのような状態になったらその茶壺と、例えば磁器の急須か何かで同じお茶を同じ条件で淹れてみてください。

何故私が宜興紫砂壺をお勧めするのか、同じ茶葉でも香りと味の違いでその理由を実感して頂けます。


ここまで来れば、お客様は立派な紫砂壺コレクターに成っているに違いありません。