中国茶の淹れ方(蓋碗)
■蓋碗(がいわん)で中国茶を淹れる
中国茶を淹れる茶器として、蓋碗を利用する淹れ方があります。
宜興紫砂壺は茶葉の香りを吸着させてお茶を美味しく淹れてくれる茶器ですが、香りを吸着する関係で一種類の茶葉専用に使用します。
一方蓋碗は釉薬が掛けられている磁器製なので、茶葉の香りを吸着するという事はありません。(紫砂壺のようにお茶を美味しく淹れてくれる効果はありませんが)
つまり磁器製の蓋碗はどんな中国茶の茶葉でも淹れられる、万能な茶器という訳です。
紫砂壺と蓋碗両方を所有して、一番飲む機会の多い茶葉は紫砂壺で淹れる、時々飲むようなその他の茶葉は蓋碗で淹れるというように、茶器の使い分けをして下さい。
さて、蓋碗による中国茶の淹れ方です。
まずは蓋碗にお湯を注ぎ、温めます。(全ての茶器を温める、これは基本です。)
次に茶海(ピッチャー)へお湯を移し、茶海を温めておきます。
同じく、茶杯(チャハイ)・聞香杯(モンコウハイ)も温めます。
蓋碗へ茶葉を投入します。(茶葉の量は蓋碗の底が見えなくなる程度の量)
そしてやや高い位置よりお湯を注ぎます。(空気を含み茶葉が開くように)
蓋碗の蓋をして、抽出時間を待ちます。(一煎目の目安は約1分です。)
抽出時間が経過しましたら親指と中指で蓋碗の左右を支えて、蓋の部分に人差し指を添えて蓋を少々ずらします。
茶漉しをセットした茶海へ抽出したお茶を移します。(中国茶の茶漉しは目が非常に細かい網で作られています。細かい茶殻まで濾し取りますので、ぜひお使い下さい。また茶海へ抽出したお茶を一度移すのは、お茶の味を均一化する為です。)
最後に人数分の茶杯へ抽出したお茶を注いで、いただきます。
以上が蓋碗による、中国茶の淹れ方です。
蓋碗は100cc~120ccの容量の大きさが多いので、使用する茶葉の量は3g~5g程度になります。
茶葉の量が少ないと美味しくお茶が淹れられませんので、美味しく淹れるコツは茶葉の量を少し多目で抽出時間を短くすることです。
また蓋碗でも中国茶は何煎も淹れることが出来ますが、同じ茶葉を紫砂壺と蓋碗で淹れた場合、蓋碗では3~4煎程度が紫砂壺では5~6煎淹れる事が出来ます。(やはり紫砂壺の方がお茶を美味しくしてくれるのです。)
ちなみに、同じ茶葉を同じお湯で同時に紫砂壺と蓋碗で淹れた場合ですが、これもお味が違います。
養壺された紫砂壺と蓋碗では、更にお味に差が出ます。(一度、お試し下さい。)