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宜興窯と紫砂

宜興窯と紫砂

■宜興窯(ぎこうよう)

宜興窯は中国八古窯の一つで、江蘇省宜興市(こうそしょうぎこうし)の郊外を中心に現在も紫砂壺を中心として、国営工場も含め作陶は盛んに行われています。宜興市の中心部は陶芸の町を感じさせる物は少ないのですが、中心部から車で20~30分の丁蜀鎮という町まで行くと常滑同様、土管・甕・鉢が町の彼方此方で売られています。現在国営工場は第一・第二とも営業はしていますが、そこで製作されている紫砂壺は型出しの茶壺が中心です。

■紫砂壺(しさへい・しさこ)

紫砂壺の特徴ですが、紫砂壺でお茶を淹れますと渋みや灰汁が茶壺に吸収され、お茶が美味しくいただけます。これは材料と焼成方法による特徴で、日本では焼き締めの常滑・備前・信楽焼きにも共通した特長でもあります。しかしながらその効果は、紫砂壺が一番と思われます。これは同じお茶を同じ条件で、普段お使いの急須と紫砂壺で淹れたお茶を飲み比べられれば納得がいかれる事と思います。つまり紫砂壺は中国茶ばかりでなく、日本茶も美味しくいただけるのです。

■中国茶器と中国茶の専門店「恒福茶具」でのお取り扱い紫砂壺について

中国茶器と中国茶の専門店「恒福茶具」では、型出しの量産紫砂壺は取り扱っていません。作家による手作りの紫砂壺のみを取り扱っています。また中国では偽物(レプリカ)製作が盛んで、本当の意味では作家本人から購入した紫砂壺以外はレプリカの可能性も疑わなくてはなりません。また一般の観光で宜興を訪れて商店で購入される紫砂壺は、そのほとんどが本物ではないばかりか、宜興産でない可能性があります。中国茶器と中国茶の専門店「恒福茶具」で取り扱う紫砂壺は、作家本人から直接購入した物、及び信用できる仲買人から購入した紫砂壺のみです。基本的にお値段の高い紫砂壺には、作家の証明書をお付けしています。比較的お値段の手頃な紫砂壺については、作家の証明書の無い物も有ります。証明書が無い場合は偽物という訳ではなく、仕入れの際にどうしても証明書が用意できなかった物、もしくは有名作家ではない為にもともと証明書を用意していない紫砂壺です。

■何故手作りにこだわるのか?

中国茶器と中国茶の専門店「恒福茶具」では、何故作家物の手作り紫砂壺にこだわるのか?良質な紫砂の材料はもう産出量が少ないので、一般的な材料と比較すると十倍の価格差があります。ですから型出しの紫砂壺には良質な材料は現在使われていませんし、値段の高い材料は一部の作家が確保してしまいます。つまり紫砂壺独自のお茶を美味しく淹れてくれるメリットが、型出し紫砂壺には期待が出来ないのです。これは機能面での理由ですが、一番の理由は型出しの紫砂壺には茶壺そのものの気品を感じられないからです。死壺、生壺という言葉がありますが、型出しの大半は正に死壺で、手作り茶壺は生気さえ感じられるものがあります。手作り茶壺といっても作家は数え切れない位大勢居ますし、作風も様々です。中国茶器と中国茶の専門店「恒福茶具」ではあくまでも、店主私の目に適った紫砂壺のみを扱っています。

■作家物紫砂壺とその値段

中国茶器と中国茶の専門店「恒福茶具」で取り扱う手作り紫砂壺は、ほとんどが作家のアトリエなり自宅なりで製作されています。宜興紫砂壺は電動轆轤を使用した製作方法ではなく、土を板状に伸ばして成形する「タタラ作り」なので、小さなスペースでも製作可能なのです。基本的に材料と道具さえあれば、何処でも作陶できるのです。ある女性作家は家事を行いながら、キッチンとバスルームをつなぐ半畳程のスペースに机を置いて、そこで作陶していました。また宜興のほとんどの作家は、電動轆轤を見た事もなければ触った事もないのです。宜興の手作り紫砂壺の作家は、国と省が認定する資格を持っています。その資格によって勿論作品の値段も変ってきますし、茶壺に対する価値観も日本とはだいぶ違います。例えて言うなら日本では抹茶茶碗が珍重されますが、中国では茶壺が珍重されるのです。その中でも宜興紫砂壺は一番珍重される物で、その値段は現地でさえ、有名作家の茶壺は車並み、いや家が買える程の値段なのです。まして骨董品(古壺)となると本物であれば信じられない値段で取引されていますし、日本との価値観の違いを感じます。では一般的な紫砂壺は一体幾らなの?と思われるでしょうが、これも一概には言えません。型出しの安物なら一個数百円から有りますし、型出しといえども数万円の紫砂壺も売っています。(これは宜興の現地価格です。)作家による手作りの紫砂壺は現地で¥5.000~数万円で購入可能ですが、一般的には販売されていませんので手に入れるにはコネが必要となります。また宜興紫砂壺は近年、中国の物価の上昇と共に異常な値上がりが続いています。これは紫砂材料産地である黄龍山の紫砂の鉱脈の枯渇が現実問題となってきた事と、宜興紫砂壺までもが投機の対象となっている事が主な原因です。人気作家さんや有名作家さんの作品は常に値上がりが続いていますので、ご了解下さい。

■中国茶器と中国茶の専門店「恒福茶具」での取り扱い紫砂壺とお勧めの作家

中国茶器と中国茶の専門店「恒福茶具」では様々な作家物紫砂壺を扱っていますが、基本的に有名作家の紫砂壺は手の届く作品ではないので、技術力の有る若手の作品を中心に取り扱っていきます。国家認定及び省が認定する資格を持っていなくとも、技術力の高い若手作家は大勢居ます。無名であっても、作品そのものに技術力と気品を感じる事が出来る作品を作っている作家を、皆様にご紹介していきたいと思います。現時点では「張泉林」が一番のお勧め作家ですが、既に彼は有名になりすぎて簡単には買えない作家の一人となっています。

耀州窯について

■耀州窯(ようしゅうよう)

耀州窯とは陜西省は耀県銅川市附近に分布し、黄土高原の台地の山間部に数件の陶芸家一族が作陶を続けています。中国陶磁史においては有名な窯場で、皇帝に献上する献磁を制作していました。有名なのは耀州青磁ですが、骨董品は数十万~数百万で取引されていますが、現代物はほとんど流通していません。耀州青磁の色はオリーブグリーンで、その独特な色合いは特徴的です。時代的には宋の時代が最も栄えたといわれ、現在も世襲制による陶芸家一族がその時代に完成された作品そのままを作りつづけています。

■耀州青磁の特徴

本体を成形した後に刃物で文様を刻んでいく、刻花紋が代表的な様式です。そこへ青磁の釉薬が流れて刻花紋を引き立てています。デザインは宋の時代を中心とした献磁の意匠を、そのまま再現しています。レプリカとはいえ製作している作家は当時の作家一族の末裔達ですから、その時代そのものが手に入れられる事と同じと考えられます。当時の皇帝と同じ器を使ってお酒を飲みながら、歴史を感じて頂ける事と思います。正に中国の宝と言える焼き物です。

■中国茶器と中国茶の専門店「恒福茶具」で取り扱う耀州青磁

中国茶器と中国茶の専門店「恒福茶具」で取り扱う耀州青磁は、全て現代物です。日本ではほとんど流通していない商品だと思いますので、是非歴史を感じさせる耀州青磁をコレクションに加えて頂ければと思います。商品は主に酒器ですが、お茶に使って頂ける商品も今後増やしていければと思っています。商品の中には高齢で技術力の高い作家の作品もあり、その作品は博物館に展示されてもおかしくないレベルです。

本体成形後に刻花紋を刻んでいる作陶過程です。この作家は耀州の第一人者の息子さんで、代々の技術は彼にしか引き継がれません。
出来上がった作品群です。
この風景が黄土高原の大地です。数千年前から段々畑で麦作を続けています。畑に撒く水は、麓よりリヤカーで運び朝から晩まで続く重労働です。その重労働を行っているのは、六十を過ぎているであろう老人でした。しかし黄土高原では、麦位しか育たないのです。そういう地域の山間部に耀州窯はあります。
刻花紋を刻んで、焼成前の完全乾燥を待っている作品群です。
これは全て手で作られている事がよく分かります。一つの作品を仕上げるのに、どのくらいの時間を要するか想像してください。

張 泉林の茶壺

■張 泉林(ちょう せんりん)

在位 : 工芸美術師
所属 : 江蘇省工芸美術学会会員

張泉林は1972年生まれ、15歳より紫砂壺作りを学び始めその後国営工場勤務を経て独立を果たしました。中国茶と中国茶器の専門店「恒福茶具」では張泉林の制作する紫砂壺を一番にお勧めしています。彼の技術力は作品を手に取り、現物をご覧頂ければ納得される事と思います。宜興の若手作家のみならず中国の陶芸家は、伝統を重んじる事を優先して自己の作風を確立している作家が少ないと思います。張泉林はその作品からも感じられますが、彼独自の作風を模索しています。技術力の確かさと共に、そこが彼をお勧めする理由の一つでもあります。作家としての彼ですが、風貌はスポーツマンタイプでガッチリとした体型で、とても繊細な作品を生み出す茶壺作家とは思えません。身長は175cmを越え手も大きいので、その大きな手からどうして小さな繊細な作りの茶壷が生み出されるのか不思議です。彼と初めて会った時には、ティーシャツにジーンズを穿いて、腰には携帯電話、更にサングラス姿で、いかにもシティーボーイといった印象でした。彼を知るにつれて、内面の繊細さ、細やかな心配り、その性格からあの繊細な茶壺が生み出されるのだと納得しました。彼の奥様は周国琴という名前で、奥様も茶壺作家です。

中国茶の飲み方

中国茶を初めてお飲みになる方、もっと本式に中国茶芸をお知りになりたいと思っている方、参考にして頂ければ幸いです。

中国茶芸について

中国茶芸は、要はお茶を美味しくいただく為の作法で、日本の茶道のように事細かな決まりがある訳ではありません。

日本の煎茶道に近いものはありますが、お茶の淹れ方・お道具・飲み方自体にもこれでなければいけないという規則・決まり事はないのです。
あえて申し上げれば、時間と心にゆとりを持って、お茶やお道具の事を話題にし、濃縮された味わいの美味しいお茶を、楽しく心豊かな気分で嗜むのが中国茶芸です。

日本茶と違って中国茶はありとあらゆる種類がありますので、茶葉によって適した温度・抽出時間・茶器があります。

出来る事なら一番美味しい状態で皆様にお茶を楽しんで頂きたいと思いますので、お茶の淹れ方と飲み方・必要と思われるお道具について説明したいと思います。

■必要なお道具

最低限必要と思われるお道具を取り上げます。

・ 茶壺(ちゃふう)
(勿論、宜興紫砂壺です。蓋碗をお使い頂いても構いませんが、青茶(烏龍茶系)は紫砂壺をお使いになる事をお勧め致します。)

・ 茶杯(ちゃはい)
(湯飲みでも良いのですが、中国茶は濃縮されたお茶をいただくので小さな茶杯で満足できますし、大きな湯飲みでがぶがぶというのでは品がありませんね。出来れば聞香杯もお使い頂いて、香りも味わうと一層本式と成ります。)

・ 茶海(ちゃかい)
(茶壷から直接茶杯へお茶を注ぎますと、最初の方は濃度が薄く、最後の方は濃度が濃くなります。茶壷から全てのお茶を一度茶海へ移し替える事で、おちゃの濃度が均一になって同じ味のお茶を飲んで頂けますので、是非お使いください。)

・ 茶盤(ちゃばん)
(茶壺や茶杯にお湯を掛けて温める、養壺の為に茶壺にお茶を掛ける、お湯やお茶を流す作業がお茶を淹れる段階で何回もあるので、茶盤をお使い頂ければお湯を直接流せる事が出来ますから、とても便利です。また茶盤をお使いになる方が本式に見えますし、おもてなしの場合はお客様とお話をしながらお茶を淹れる事が出来ますね。)


以上が最低限必要とするお道具と考えています。

それ以外に有ると便利な物は、茶漉し(金属製のもの)茶巾です。その他のお道具も上げると限がないので、それらは徐々に趣味に合わせて揃えて頂ければ良いのではないでしょうか。

中国茶の淹れ方と飲み方

ここでは初心者の方向きに、一般的な中国茶器を使った中国茶の淹れ方と飲み方を説明させていただきます。

 

 


まずは茶壺にお湯を注ぎ、茶壺を温めます。

 

茶壺のお湯を茶海へ移して、茶海を温めます。

続いて茶杯・聞香杯も温めておきます。

茶壺に茶葉を投入します。

茶葉の使用量は茶壺の底が見えなくなる量です。

お湯を少し高いところから、勢い良く一気に注ぎます。

お湯が一杯になった状態で、直ぐに表面に灰汁のような泡が浮いてきます。

そこでこのような茶通し、もしくは茶壺の蓋の縁で灰汁を切ります。

蓋をすると注ぎ口からお湯が溢れますが、茶盤を使用していますから下に流れますので気になりません。

抽出中は内部の温度を下げないで抽出し易い温度を維持する為に、茶壺の上から全体に暑いお湯を注ぎます。(お湯は茶盤の中へ流れますが、茶船という別の茶壺専用のお皿状の容器を使用する場合もあります。茶盤全体の面積が小さい場合や、お茶会等の場合は茶船を使用した方が段取りがよくなります。)

抽出した一煎目を、茶漉しをセットした茶海へ注ぎます。(茶海へ一度お茶を移すのは、濃度を均一にするためです。)

最後の一滴まで、出し切ってください。(二煎目以降を淹れる為に重要です。)

抽出したお茶の水色です。(今回は安渓鉄観音の茶葉を使用しています。)

茶海から聞香杯へ、お茶を人数分注ぎ分けます。

お茶を注いだ聞香杯の上に、茶杯を被せます。

この状態で両手を使用して、上下逆さまにひっくり返します。(慣れると簡単です。)

この状態で杯托へ置いて、お茶をお出しします。

お茶は溢れてきませんので、安心して下さい。

お茶を飲む際はこの聞香杯をそっと持ち上げ、先ずは香りを聞きます。(この時が一番優雅な時間かもしれません。)

何度もお茶の香りを嗅ぐと、肺の中まで香気で一杯のようになります。そして、最初の一口を味わいます。

茶壺の中は茶葉が開いて溢れかえって隙間がない位、それが適切な茶葉の使用量です。(この画像は一煎目なのでまだ茶葉が開ききっていませんが、茶葉が開いてくると上まで茶葉で一杯の状態になります。)

中国茶は茶葉の量を多目に使用して、抽出時間を短くするのが美味しく飲むコツだと申し上げましたが、一煎・二煎・三煎と何煎も飲みながら会話を楽しみ、お茶の味が変化していくのも楽しめます。抽出時間を短めにすれば爽やかな味わい、長めにすれば濃厚な味わい、時には苦味が勝る事もあるかもしれませんが、それも味わいの一つとしてお楽しみください。

中国茶を淹れる場合、一煎目を流す(洗茶)という淹れ方もあります。(これは消毒という意味合いもありますが、最初にお湯を注いで直ぐに流すと、一煎目の茶葉の開きが促進されて、その方が一煎目が美味しいという場合もあります。)一煎目のお茶の成分を流し捨てると判断する方もいますが、茶葉の種類で判断することと、実際試してみて良しと思う場合は洗茶をされてください。

以上が中国茶の典型的な飲み方の一つです。
中国では工夫茶と言いまして、お茶の嗜みの一つとして自分なりのスタイルを作り上げる事も楽しみの一つと言えます。
最初にも申し上げましたが、要はお茶を美味しくかつ楽しく飲む事によって、心豊かな気分に成れるのが中国茶芸の醍醐味です。
皆様も中国茶の奥深い魅力を味わいながら、自分なりの工夫茶を作り上げてください。

養壺(やんふう)について

お客様から何度か養壺についてご質問を頂きますので、ここで付け加えておきます。

まずお買い求めになりました紫砂壺ですが、お手元に届きましたら直ぐにお茶を淹れるわけには参りません。(そのままお茶を淹れますと泥臭さが気に成ります。)

最初にお手入れが必要と成ります。

最初に不要になった歯ブラシ等で、茶壺の内側外側共良く水洗いをして下さい。(洗剤は使ってはいけません。)

釉薬を掛けてある茶壺は別ですが、無釉の焼き締め(宜興紫砂はその部類です。)茶壺は使い始める前にその茶壺で淹れる予定の茶葉と共に鍋で煮沸を致します。

ぐらぐらと長時間煮込む必要はありませんので、沸騰してから適度な時間と憶えておいてください。(水の状態から茶壺と茶葉を入れ、沸騰したらとろ火で煮沸)

終わって水分を拭き取り、茶巾等で茶壺を磨きますと良い茶壺は直ぐに輝き始めます。

ここでお買い物された紫砂壺が本物かどうか、判断して頂けると思います。

蓋を取って左手で蓋のつまみを軽く持ち、右手の人差し指で蓋の縁をはじいて音を聞いて下さい。

「キン」という金属音に近い高音が聞こえれば、それは上質な紫砂壺です。

さてこれで、茶を淹れる準備が整いました。

その後の養壺ですが、こだわる方は一つの茶壺で一種類のお茶にしか使用いたしません。(茶壺にお茶の香りが染み込んでいくので、色々なお茶を同じ茶壺では淹れない訳です。)

どんなお茶も一つの茶壺で淹れる事は私もお勧めできませんが、そこまでこだわらなくとも烏龍茶系は一つの茶壺で済ましても?とも思います。

養壺のコツは兎に角「毎日お茶を淹れて使用する事」これが基本ですが、お茶を淹れる度に紫砂壺の外側の表面にお茶を塗る(養壺筆という商品も売っている位ですが、道具は何でもいいので何度も何度もお茶を表面に染み込ませてください。)そして茶壺を磨き上げるという方法もあります。

毎日のようにお茶を淹れていると、直ぐに茶壺は輝き始めます。

自然と艶を帯びて使えば使うほど輝きが増してきます。

茶壺を洗う際は、洗剤は絶対に使わない事!これは必須です。

水、又はお湯でよく洗い(洗わないという人も中国にはいます)カビが生えたりしないように蓋と本体を別にして、逆さまにして水がよく切れるように乾燥させてください。

乾燥した茶壺をお手入れする?(茶巾等で磨く場合)場合ですが、最初にお茶を染み込ませた布で茶壺を湿らせて、乾いた布で磨き上げる、これを繰り返しますと茶壺が益々輝きます。

乾燥した状態で茶壺自体が良いお茶の香りがする、そういう状態に成ったらお茶も本当に美味しく飲めます。

お使いの茶壺がそのような状態になったらその茶壺と、例えば磁器の急須か何かで同じお茶を同じ条件で淹れてみてください。

何故私が宜興紫砂壺をお勧めするのか、同じ茶葉でも香りと味の違いでその理由を実感して頂けます。


ここまで来れば、お客様は立派な紫砂壺コレクターに成っているに違いありません。

中国茶の淹れ方(蓋碗)

■蓋碗(がいわん)で中国茶を淹れる

中国茶を淹れる茶器として、蓋碗を利用する淹れ方があります。

宜興紫砂壺は茶葉の香りを吸着させてお茶を美味しく淹れてくれる茶器ですが、香りを吸着する関係で一種類の茶葉専用に使用します。

一方蓋碗は釉薬が掛けられている磁器製なので、茶葉の香りを吸着するという事はありません。(紫砂壺のようにお茶を美味しく淹れてくれる効果はありませんが)

つまり磁器製の蓋碗はどんな中国茶の茶葉でも淹れられる、万能な茶器という訳です。

紫砂壺と蓋碗両方を所有して、一番飲む機会の多い茶葉は紫砂壺で淹れる、時々飲むようなその他の茶葉は蓋碗で淹れるというように、茶器の使い分けをして下さい。

さて、蓋碗による中国茶の淹れ方です。

まずは蓋碗にお湯を注ぎ、温めます。(全ての茶器を温める、これは基本です。)

次に茶海(ピッチャー)へお湯を移し、茶海を温めておきます。

同じく、茶杯(チャハイ)・聞香杯(モンコウハイ)も温めます。

蓋碗へ茶葉を投入します。(茶葉の量は蓋碗の底が見えなくなる程度の量)

そしてやや高い位置よりお湯を注ぎます。(空気を含み茶葉が開くように)

蓋碗の蓋をして、抽出時間を待ちます。(一煎目の目安は約1分です。)

抽出時間が経過しましたら親指と中指で蓋碗の左右を支えて、蓋の部分に人差し指を添えて蓋を少々ずらします。

茶漉しをセットした茶海へ抽出したお茶を移します。(中国茶の茶漉しは目が非常に細かい網で作られています。細かい茶殻まで濾し取りますので、ぜひお使い下さい。また茶海へ抽出したお茶を一度移すのは、お茶の味を均一化する為です。)

最後に人数分の茶杯へ抽出したお茶を注いで、いただきます。

以上が蓋碗による、中国茶の淹れ方です。

蓋碗は100cc~120ccの容量の大きさが多いので、使用する茶葉の量は3g~5g程度になります。

茶葉の量が少ないと美味しくお茶が淹れられませんので、美味しく淹れるコツは茶葉の量を少し多目で抽出時間を短くすることです。

また蓋碗でも中国茶は何煎も淹れることが出来ますが、同じ茶葉を紫砂壺と蓋碗で淹れた場合、蓋碗では3~4煎程度が紫砂壺では5~6煎淹れる事が出来ます。(やはり紫砂壺の方がお茶を美味しくしてくれるのです。)

ちなみに、同じ茶葉を同じお湯で同時に紫砂壺と蓋碗で淹れた場合ですが、これもお味が違います。

養壺された紫砂壺と蓋碗では、更にお味に差が出ます。(一度、お試し下さい。)

中国茶の淹れ方(耐熱グラス)

■耐熱グラスで中国茶を淹れる

耐熱グラスを使用して、気軽に中国茶を淹れる方法をご説明します。

主に緑茶や工芸茶を飲む際に取る淹れ方ですが、中国現地でも一般的な飲み方として耐熱グラスに限らず、それこそ紙コップでもこの淹れ方で飲んでいますし、携帯型のボトルでお湯を継ぎ足しながら一日同じ茶葉でお茶を飲んでいます。

耐熱グラス使用して淹れる方法は、工芸茶や緑茶の綺麗な茶葉を眺めながら、お味と一緒に目でも楽しむ飲み方と言えます。


耐熱グラスにお湯を注ぎます。(緑茶・工芸茶ともお湯の温度は80~90℃です。グラスにお湯を注ぐとやや湯温が下がりますので、沸騰直後のお湯でも少し時間を置いて茶葉を投入します。)


上から直接茶葉を投入します。(工芸茶の場合は1個を使用。緑茶類は3~5gお好みで)使用している茶葉は碧螺春(びーるーちゅん)です。


時間が経過しますと、ご覧のように茶葉が下の方に沈んできます。(こうなった状態が飲み頃です。)緑の濃い茶葉を間近で眺めながらお茶を楽しみます。(新芽の先端のみのお茶というのがよく分かりますし、若い緑の色がとても綺麗です。)


二煎目・三煎目を飲まれる際は、全部飲み干してしまわずに、グラスに1/3~1/4の量のお茶が残っている状態でお湯を継ぎ足して抽出して飲んでください。

茶葉の種類によっては下の方に沈まない茶葉もありますので、そういう場合は表面に浮いている茶葉を息で吹き寄せて手前に茶葉のない状態を作って飲みます。

時には茶葉がお茶と一緒に口の中へ入ってきたりしますが、その際は茶葉を食べてしまう、それが中国式のお茶の飲み方です。

「お茶は健康に良いもの」食べても何の問題もないし健康にも良い、中国の方は皆そのように考えています。

耐熱グラスを使用して中国茶を淹れる方法としては、茶葉を先に投入してからお湯を注ぐ淹れ方もあります。

先に茶葉を投入するか、お湯が先で茶葉が後か、それ程お味に差はありませんが、飲み頃を見極めるタイミングがお湯が先で茶葉が後の方が分かり易いかと思います。

中国茶葉の効能・効果

日常的に中国茶を飲む事は、健康維持に効果的です

中国において中国茶とは、嗜好品としてのお茶というより、生薬・漢方・薬として飲まれている面があります。
茶葉の種類は3000種以上と言われますが、生薬・漢方・薬として発展、飲み継がれてきた部分、また国家が広く多民族国家であるということも影響して、これだけ茶種が多いという事がいえます。
故に日常的に中国茶を飲む事は健康維持に効果的で、中国では日本以上にお茶にお金を惜しまないのです。
日本では薬事法の関係で薬品ではない茶葉に関しては、医薬品と誤認するような効能効果を記載することが禁止されています。
従ってここで述べる効能・効果はあくまでも期待できる効能という事で、必ずしも約束される効能ではありません。
茶葉を選定される際の参考としてご覧ください。

分類茶葉名期待できる効能・効果
花茶菊花茶疲れ目・消毒解毒作用・解熱・沈静効果
洋菊茶疲労回復・老化防止・免疫力向上・血流改善
メイクイ茶(薔薇茶)リラグゼーション・血流改善・健胃・整腸・美肌効果
千日紅花茶血液さらさら・美顔効果
茉莉綉球リラグゼーション・ストレス・ビタミン
桂花烏龍茶リラグゼーション・ダイエット・美容効果
青茶鳳凰單叢リラグゼーション・ダイエット・美容効果
黄枝香單叢リラグゼーション・ダイエット・美容効果
黄金桂リラグゼーション・ダイエット・消化を助ける・利尿効果
安渓鉄観音リラグゼーション・ダイエット・消化を助ける・利尿効果
鉄観音王リラグゼーション・ダイエット・消化を助ける・利尿効果
鉄観音王極品リラグゼーション・ダイエット・消化を助ける・利尿効果
大紅袍健胃・整腸・ダイエット
文山包種リラグゼーション・ダイエット・消化を助ける・利尿効果
高山金萱リラグゼーション・ダイエット・消化を助ける・利尿効果
凍頂翠玉リラグゼーション・ダイエット・消化を助ける・利尿効果
凍頂四季春リラグゼーション・ダイエット・消化を助ける・利尿効果
凍頂烏龍リラグゼーション・ダイエット・消化を助ける・利尿効果
梨山茶リラグゼーション・ダイエット・消化を助ける・利尿効果
緑茶碧螺春コレステロール値を低下・血管を丈夫に・色素沈着夏バテを防ぐ
西湖龍井コレステロール値を低下・血管を丈夫に・色素沈着夏バテを防ぐ
黄山雪芽コレステロール値を低下・血管を丈夫に・色素沈着夏バテを防ぐ
紅茶陽羨紅茶動脈硬化防止・健胃・整腸・コレステロール値を低下
黒茶小沱茶(熟茶)ダイエット・血流改善・健胃・整腸・利尿効果
雲南沱茶(生茶)ダイエット・血流改善・健胃・整腸・利尿効果
雲南普耳茶(熟茶)ダイエット・血流改善・健胃・整腸・利尿効果
雲南七子餅茶(生茶)ダイエット・血流改善・健胃・整腸・利尿効果
薬外茶人参烏龍茶脳を活発化する働き
苦丁茶(青山緑水)ダイエット・便秘・高血圧症・アトピー予防・がん予防
苦丁茶(一葉茶)ダイエット・便秘・高血圧症・アトピー予防・がん予防

ペットボトルで簡単抽出 「中国茶をアイスで」

■中国茶を冷茶として淹れる

気温の高い時期になってきますと、冷たい飲み物が欲しくなります。

中国茶は健康維持に効果的なお茶なので、出来れば暑い時期でも温かいお茶として飲んで頂きたいのですが、真夏はそうも言っていられません。

糖分の多い飲料を飲むよりも中国茶の冷茶を飲んだ方が健康的ですし、最近はペットボトルのお茶も増えてきているので、それらを飲まれる方も非常に多いかと思います。

そこでペットボトルを利用した、簡単安上がりな「中国茶を冷茶として淹れる」方法を提案致します。

最近はペットボトルのミネラルウォーターも非常に安くなってきましたので、市販のお好みのペットボトルのミネラルウォーターをご用意下さい。(軟水系と硬水系ではお茶のお味も変わりますので、色々試してみるのもお勧めです。)

まず使用する中国茶ですが、中国茶の茶葉は全ての種類が水出しにて抽出する事は可能です。

使用量は茶葉の種類とお好みの濃度で違ってきますが、一応の目安として1Lあたり5g~10gをお勧め致します。(5gですと薄めのお味・10gですと濃い目のお味)

抽出時間は常温で8時間~10時間(一晩という感覚)、抽出後は冷蔵庫にて保存して、出来れば24時間以内消費が理想です。

例として苦丁茶(一葉茶)を冷茶として抽出してみましたが、このペットボトルは1.5Lで苦丁茶(一葉茶)を5本使用しています。

ペットボトルの便利な点は、蓋が付属していることです。

蓋がきっちりとされるので一般的な冷蔵庫用保存瓶と比較して、冷蔵庫内で食品の香りを吸着するのを防ぎます。

また飲み終わった後もボトルを再利用で、浄水器等で浄水した水道水を再注入して使用する事もできますね。

ちなみに一度抽出した茶葉ですが、お湯で抽出する場合は何煎も抽出する事ができますが、水出しの場合は再抽出は出来ません。

お湯を使用して、この抽出後の茶葉を一煎程度は再抽出することは可能なので、そのまま捨ててしまわないで再利用して下さい。

以上簡単に水出し中国茶の説明をさせて頂きましたが、お分かりにならない事が御座いましたら、お気軽にメールにて疑問点をお問い合わせ下さい。

プーアル「生茶」と「熟茶」の判別法

■プーアル茶の「生茶」・「熟茶」判別法

中国茶と中国茶器の専門店「恒福茶具」では、HPのトップページの三つのこだわりの中で、プーアル「生茶」にこだわっていますと書き記しています。

以前より「恒福茶具」のメルマガ、またはHPにてプーアル茶は生茶にこそプーアル茶を飲む価値があると度々申し上げていますが、「生茶」と「熟茶」どう違うの?どうやって見分けるの?当然の疑問ですね。

日本では勿論「生茶」はほんの一部の専門店でしか販売されていませんし、日本人で「生茶」を飲んだことのある方は、やはり一部の通の方しか存在しないと言えます。

そこで「生茶」を知らない方でも、分かりやすく「生茶」と「熟茶」を見分けられるお手伝いが出来ればという事で今回この記事を書かせて頂きました。

皆様が飲んでいるプーアル茶、「生茶」ですか?それとも「熟茶」でしょうか?

「生茶」と「熟茶」を見分ける方法の前に、簡単にプーアル茶の特色と製茶方法をご説明しておきます。

● プーアル茶の特色 

お茶は製茶仕立ての新茶が一番美味しい、これは種類を問わずお茶を賞味する上で一般的な常識です。

ところが唯一プーアル茶は古い(熟成された茶葉)ほど美味しく価値がある、プーアル茶は製茶された時点より茶葉が生きていて、天然の麹菌の力を借りて茶葉が発酵を続けるお茶なのです。

プーアル茶の産地は中国雲南省ですが、雲南省は気候が温暖で中国大陸の中では比較的年間を通して湿度が高い地域であること、またお茶の源とも呼ばれる六大茶山(攸楽・革登・倚邦・莽枝・蛮磚・慢撒)は山深く人里離れて汚染の心配も薄いと言えます。

プーアル茶は元々雲南省の喬木型の大葉種を用いて製茶されており、茶葉が肥えて肉厚、そして柔らかいのが特徴です。

● プーアル茶の製茶方法 

プーアル茶の製茶方法は、殺青(茶葉を蒸して茶葉の酵素の活性を止める)→揉捻(茶葉を手で揉むこと)→乾燥(この段階の茶葉を晒青毛茶と言う)→熟成(約45日)→再度蒸して成形(緊圧茶)もしくは成形しない状態が散茶として製茶されます。

ここで大切な事は、この段階でプーアルは生茶(自然発酵)と熟茶(推積発酵)に分けられる事です。

熟茶はある意味茶葉を殺してしまい、強制的に短期間で熟成する大量生産型のプーアル茶ですが、
生茶は茶葉を生かした状態で年月を掛けて熟成を重ねる価値の高い、本来のプーアル茶といえます。

現代は時間も無く安価で大量生産を望まれるので熟茶という製法が生まれましたが、本来のプーアル茶とは生茶の事であり、生茶にこそプーアル茶を飲む価値があるという事を「恒福茶具」は強くお勧め致します。

ここでもう一つ説明を加えなくてはならないのですが、実はプーアル茶には「生茶」と「熟茶」以外に、悪質な茶葉が存在します。

熟成年数が数十年という「生茶」のプーアル茶は、ビンテージとして高値で取引されています。

そこで悪質な茶葉が生み出された訳です。

悪質な茶葉は、簡単に申し上げると本来麹菌を植え付けて熟成させるところを、黴菌で熟成しているように見せかけたとんでもないインチキプーアル茶です。

当然茶葉も黴臭いですし、味も泥の味で黴の香りと味がします。(とても飲める代物ではありませんし、飲んだら勿論体に悪いです。)

プーアル茶の「生茶」「熟茶」判別法の中に、「悪質な茶葉」も付け加えさせて頂きました。

● 茶葉の状態の見分け方と違い

生茶の中にも使用されている茶葉が、大葉種・中葉種・小葉種、更に最近では新芽を使用する餅茶まで存在します。

これらのプーアル茶をひとくくりで見分ける訳にはいかないのですが、共通する点では茶葉の状態で茶葉がはっきりと見分けられる事です。

それと比較して熟茶は、茶葉の状態で茶葉が塊となって何となくベタッとしています。

しかしながら熟茶の中にも、限りなく生茶に近いような熟茶も存在するのは事実です。(このような茶葉は、茶葉の見た目では見分けるのが難しいです。)


雲南七子餅茶(2003年産)


雲南七子餅茶(10年熟成)    


雲南七子餅茶(20年熟成)


雲南七子餅茶(30年熟成)

上記の画像をご覧頂くとよくお分かり頂けるかと思いますが、10年程度の熟成では茶葉の状態にそれ程変化は見受けられません。

ところが20年となると色も変わり、何となく枯れてきたような状態に茶葉の見た目が変化してきています。

30年ともなると、更に茶葉の状態に変化が見受けられます。


典型的な熟餅茶の色


限りなく生茶に近い熟餅茶

典型的な熟餅茶の画像をご覧頂くとお分かり頂けるかと思いますが、茶葉全体の色目が明らかに違います。(茶葉の色目が茶色~焦げ茶)

そして生茶の茶葉の状態と比較して、何となくベタッとしているのがお分かり頂けるかと思います。

一方下側の画像は熟餅茶ですが、製茶状態が限りなく生茶に近い上質な熟餅茶です。

このような限りなく生茶に近い状態の熟茶は、一般的な熟茶と違い熟成年度で熟成が進む事が確認できます。(熟茶と言えど、このような茶葉も存在します。)

しかし上側の画像のような典型的な熟餅茶は、熟成年数で熟成が進むことはほとんど認められません。


某有名オークションにて入手した悪質な熟餅茶

この悪質な熟餅茶ですが、茶葉の表面をご覧頂きますと製茶された際の茶葉の状態がお分かり頂けるかと思います。

製茶する時点で茶葉は粉々、寄せ集めの質の悪い茶葉を型へ無理やり詰めて形作ったのが想像できます。

その後茶葉の表面に霧を吹きかけて、短期間で熟成したかのように見せかけた茶葉です。

● 水色の出方と水色の違いによる見分け方

茶葉の状態で「生茶」と「熟茶」を見分けるのが難しくとも、お湯を注いでお茶を抽出する際の水色の出方で、簡単に「生茶」と「熟茶」を見分けられます。

熟茶はお湯を注ぐと直ぐに水色が栗色~焦げ茶色に変化しますが、生茶は徐々に水色が変化します。

更に熟茶の水色は焦げ茶~黒に近い水色ですが、生茶は若い茶葉ですと青茶のような水色ですし、30年程度の熟成茶葉でもそれ程水色は濃くはありません。(栗色~焦げ茶)

「生茶」と「熟茶」を見分ける方法としてこの水色の出方と水色の違いが、最も簡単な分かりやすい見分け方と言えます。

熟茶の水色


お湯を注いだ直後の水色 


一分経過した水色

熟茶はお湯を注いで直ぐに、水色が変化します。(栗色~焦げ茶へ)

生茶の水色


お湯を注いだ直後の水色


一分経過した水色

生茶はお湯を注いだ直後はあまり水色の変化は見られませんが、30秒~1分抽出すると水色が出てきます。 


左側が熟茶・右側が生茶

お茶として淹れた際の水色で、熟茶と生茶の水色の違いがよく分かります。(生茶はそれ程濃い色の水色ではありません。)

● 茶底(抽出後の茶葉)の状態での見分け方と違い

お茶を抽出したあとの茶底でも、生茶と熟茶が簡単に見分けられます。

生茶の茶底を見ると、元々の茶葉の色である一部緑色が残っていたり、茶色をした茶葉でも厚みがあり何となく元気で、茶葉が生きているのがよく分かります。(若い茶葉でも、数十年熟成した茶葉でも、これは同じです。)

一方熟茶の茶底は色も焦げ茶~黒っぽい色をしていて、ボソボソとした茶葉で、明らかに死んでいる茶葉です。

茶葉を手にとって指で弾力と強さを確かめると更に分かりますが、生茶の茶葉は力強く弾力があります。

比較して熟茶の茶底は、指で潰してみると簡単に茶葉が崩れてしまいます。


上が熟茶の茶底・右側が生茶の茶底


茶底の茶葉を広げて見た状態(上が生茶・下が熟茶)

生茶は上質な20年熟成の餅茶ですが、一枚の茶葉の状態が多く見受けられます。(手摘みの大葉種の茶葉が使用されていることがよく分かります。)

一方熟茶は茶葉が千切れた状態で、ボソボソとしています。(茶葉を殺しているので、型に入れて餅茶として成形する際に茶葉が崩れてしまっています。)

悪質な熟餅茶の水色と茶底の茶葉

お湯を注いで直ぐに焦げ茶~黒に近い水色が出ます。抽出したお茶は正に黒茶という水色で、茶底の茶葉はボロボロです。

私には腐葉土にお湯を注いだ泥水としか、思えません。

 

最後に付け加えさせて頂きますが、一般に販売されているプーアル茶は100%「熟茶」です。

生茶は、一部の中国茶専門店でしか販売されていません。

所謂プーアル茶の効能は、生茶にこそその効能があると言えます。

では熟茶にはプーアル茶の効能はないのか?

全く無い訳ではありませんが、茶葉が生きている「生茶」と茶葉が死んでいる「熟茶」、効能の如何は考えてみてもお分かり頂けるのでは?と思います。

特選台湾高山茶の製茶方法

こちらのページでは、特選台湾高山茶が出来上がるまでの工程をご紹介しています。

台湾は沖縄より南の地域ですから亜熱帯性気候ですが、特選台湾高山茶は標高1200~2000メートル以上の地域で栽培された茶葉を使用したこだわりを持つ茶農により製茶された茶葉です。

これらの地域は暖かい地表からの風が吹き上がってくる事で日中も夜間も霧に覆われている時間帯が非常に長く、霧によって直射日光が遮られ湿度の高い環境が、厚みのあるそして甘みのある上質な茶葉を育ててくれます。

同じ台湾茶と言っても平地で栽培された茶葉と、標高の高い地域で栽培された茶葉は茶葉の質が全くと言って良いほど違います。

甘みの冬茶、香りの春茶と言われますが、日中の気温と夜間の気温の温度差、そして茶葉の育成環境として標高の高い地域での栽培が質の良い茶葉の条件です。

特選台湾高山茶が出来上がるまで


急峻な山の斜面に切り開かれた茶畑の様子です。


このように茶畑は常時霧に覆われた状態です。


茶葉の新芽の状態


茶摘風景(手摘み)


急峻な斜面の作業ですが、一本一本丁寧に摘まれています。


このような状態で茶葉が収穫されます。


収穫された茶葉は集められて日光萎凋されます。(水分を減少させるため)


続いて室内萎凋されます。(この段階で発酵度を調整します。)


その後浪青という茶葉を手で攪拌する作業の後、機械による炒青を行い発酵度や水分の度合いを確認しながら作業を進めます。


次に茶葉の組織を破壊し茶葉の香りを決める作業である、揉捻を始めます。


この揉捻という工程は茶葉の香りを左右する重要な工程で、機械にかけた布袋を解き、更に手による揉捻を行い、度合いを確かめます。特選台湾高山茶はこの炒青~揉捻の工程を7~8回繰り返します。


最後に揉捻された茶葉を乾燥機に入れ、高温の温風により再発酵を抑制して青臭さを除去し、品質の安定化を図ります。

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