民間による古式プーアル茶の製茶工程
中国茶専門店や中国で見掛けたプーアル茶、丸いフリスビーのような形状のプーアル茶ってどうやって作られているの?餅茶(青餅)を知っている方でもご興味がおありかと思います。
中国雲南省六大茶山(攸楽・革登・倚邦・莽枝・蛮磚・慢撒)の基地となる易武地区では、それぞれの茶山は地元の少数民族が茶園の管理をし、国営工場や民営の大規模工場とは異なる小規模な製茶方法により、地域の茶葉を生かした個性的なプーアル茶を製茶しています。
国営工場や民営の大規模工場で製茶されるプーアル茶のように大量生産ではないので価格もそれらのお茶と比較すると高くなりますが、天空の茶園より採取した原種の古茶樹を100%原料としたプーアル茶です。
中国茶器と中国茶の専門店「恒福茶具」では易武地区の茶農と直接交渉し、千年古茶樹100%原料とした青餅を製茶してもらい、直接茶農より仕入れを行っています。
これらのプーアル茶は従来の国営工場や民営の大規模工場で製茶されるプーアル茶よりも割高の価格による販売となりますが、易武現地での千年古茶樹100%原料の価格を私自身確認しましたが、質の良い茶葉は現地価格でも200~300元という現状では已む終えない価格なのかと思っています。
2004年以降は自由化で民間でもお茶作りが行われるようになり、小規模で古式な製茶方法によりプーアル茶が製茶されています。
特に2005年以降からこれらのプーアル茶も市場に流通するようになり、プーアル茶の選択肢が大幅に増えました。
同じ年度の青餅でも価格の幅がある理由はこういった事情もあり、茶葉の質やグレードにも非常に幅があるという事です。
それではプーアル生茶(青餅)の製茶工程、茶葉の採取~成形に至るまでの工程をご覧下さい。
山道を茶葉の採取へ | 茶葉の採取現場 |
採取し易く人の身長まで伐採された茶樹 | 古茶樹新芽の状態 |
手摘みされた新芽 | 竹篭へ採取した新芽をまとめる |
日光萎凋 | 日光萎凋した新芽に熱を加え |
手早く水分を飛ばす重要な手順 | 水分を飛ばした新芽を手作業で揉捻 |
十分に揉捻された新芽 | 晒幹(昼は太陽の下で、夜は軒下で夜露をしのぐ) |
晒幹された茶葉 | 篩分(茶葉の見分けと選定) |
左側が小葉種・右側が大葉種 | 秤で餅茶1枚分の茶葉を量る |
蒸し器(底にパンチングで穴がある)へ茶葉を詰める | 茶葉を蒸します |
蒸しあがった茶葉を成形用の布袋へ | 餅茶の形に整えます |
最も古式な石型での圧延 | 重石をかけて水分が抜けるのを待ちます |
熱が冷めるまでこの状態で放置 | 冷めたら布袋から取り出し乾燥 |
完全乾燥を待つ青餅 | 乾燥後に包み紙にて包装 |
竹の皮で7枚を一梱包(七子餅茶) | 一梱包を6個(42枚)単位で竹篭へ |
出荷を待つ七子餅茶 | 竹篭単位で流通 |
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